ヒロシマ・ナガサキ・ビキニ・フクシマを結ぶ
3・11核兵器廃絶を求める原発被災地集会


日本宗平協常任理事 冨田成美(京都)


東日本大震災と福島原発事故被災から15年の今年、第6回めの「非核の火」碑前祭と翌日の被災地現地調査に、京都から参加させていただきました。以下、拙い文章ではありますが、現地を見て感じたことを報告いたします。
【第1日目】「非核の火」碑前祭(原発被災地集会)

 2026年の「3・11 核兵器廃絶を求める 原発被災地集会」は、宝鏡寺が改修工事中であるため、楢葉町コミュニティーセンターで行われました。 
 宝鏡寺で灯る「非核の火」は、ランプに移して会場の舞台上に飾られました。

 第1部は、橘梁盟氏の尺八演奏に続き、早川千枝子さんによる開会の言葉で始まりました。つづき宝鏡寺住職・早川光明師のあいさつ、伝言館館長・安斎育郎さん、「非核の火」をともす会・伊東達也さんの報告があり、楢葉町、広島市、長崎市、福岡県八女市の各市長からのメッセージ、また日本被団協、日本原水協、平和委員会からのメッセージが披露されました。千枝子さんが元気でお話しされるのを見て、安堵しました。

 その後、宗教者(日本宗平協有志)による「平和の祈り」で、今年は日蓮宗の皆さんが小野文珖導師のもと回向文・祈願文が表白され、読経を上げました。小野文珖師のお弟子さん・孫弟子さん方、日蓮宗の皆さんが勤められました。
 そして、震災が起きた午後2時46分には、安斎さんによる「平和の鐘」打鐘とともに、参加者全員で黙祷しました。

 早川師、は平和を願う声を挙げ続ける大切さを語られ、 安斎さんは、核兵器禁止条約に賛同する国々で核保有国とその賛同国を包囲し、核に賛成する国の国民を目覚めさせるべきと訴えられました。そして、原爆・原発双方の核災害の根絶を目指すと、伝言館の役割を語られました。

 伊東さんは、被災後15年を経て明らかになった6つの問題・課題を紹介されました。5万人超が今だ避難生活を続けている、2051年廃炉終了は限りなく不可能(現在までに取り出しできたデブリは0・9g)、安倍政権時の「イノベーションコースト構想」よりも、住民生活中心復興に戻すべき、アルプス処理汚染水海洋放出は終了期限不明、帰還困難区域の帰還自由化は「棄民」政策であり、現状で「復興終了」は許されない、事故に対する国の責任を認めない最高裁不当判決を覆す、などです。困難な課題ばかりですが、達成を目指して「粘り強くがんばる」と決意表明されました。
  第2部は、山形県長井市で活動するフォークソンググループ・影法師のコンサートでした。活動歴50年を誇る男性4人組で、お二人は農業に従事しておられます。「花は咲けども」「白川以北一山百文」などの代表作には、「まつろわぬ民」(「服従しない」の意味)の、伝統的で健全な抵抗精神を強く感じました。Youtubeにも様々な曲がありますので、ぜひお聴きください。

 なお、1部と2部の間に、日本宗平協と京都宗平協・京滋キリスト者平和の会から、ふたばの里、「非核の火」と生活者訴訟、伝言館の3者への支援金贈呈式が行われました。

 また、集会後には宝鏡寺へ向かい、伝言館を見学しました。その後は懇親会となりましたが、日蓮宗の皆さんが、特に若い方々が、「初めて参加したが、平和を考えるいい機会をいただいた」と、この集会を積極的に評価してくださったのが、嬉しかったです。
 この集会にはジャーナリストの青木理さん、津田大介さん、翻訳家の池田香代子さんも参加されていました。

【第2日目】被災地現地調査

 伝言館事務局長・丹治杉江さんのご案内で、JRいわき駅前から国道6号線を北上しながら被災地を視察しました。新潟大学名誉教授・立石雅昭(専門は地質学)さんご夫妻も同乗され、途中で柏崎刈羽原発の反対運動についてもお話いただきました。

 今回の道程は、いわき市→広野町→楢葉町→富岡町→大野町→双葉町→浪江町→南相馬市と進み、また南下してJR富岡駅に至るコースとなりました。この日終始強く感じ続けたことは、「15年経ったが、被災はまだまだ終わっていない」この一言です。
(次号で現地の状況を掲載します)

教祖様140年祭にあたり憲法9条を守る平和の立場を、「天理教平和の会」の声明として発表します



 教祖様140年祭を迎えることになりました。天理教平和の会は22年前の9月26日、教祖様を慕い、教祖様の教えに基づいて憲法9条を守り、立憲主義を守ることで平和な陽気づくめの世界実現を目標に設立されました。
会を設立して三度目の教祖様年祭を迎えます。しかし、今なお世界中で戦争が起こり、平和な陽気づくめの世界とは言えない状況が続いています。
 この状況は、まさに天理教教典に、「人類社会は、久しく文化の進展を遂げながらも、徒に迷いを重ね、行方も知らぬ闇路にさすらいつつ、今日にいたった」と述べられている事態です。

教祖様はおふでさきに、

せかいぢういちれつわみなきよたいや
たにんとゆうわさらにないぞや (おふでさき1343

これさいかたしかにしよちしたならば
むほん(注1)のねへわきれてしまうに (おふでさき1349

月日(注2)よりしんぢつをもう高山(注3)のたたかいさいかをさめたるなら (おふでさき1350)と誌しるされました。

 世界80億の人間は等しく親神様の子であり兄弟であり、お互いに憎しみ、傷つけ、殺し合うことなく、互いに立て合い助け合って平和の裡うちに幸せに暮らすことを望み、このことがしっかり心に治まれば争いの根は切れ、親神様の真実の思いである争いなき平和な世界が実現する。このことを世界の指導者が心の底から自覚すれば、争いのない平和な世界が訪れるとの教えです。それこそが親神様・教祖様の切なる願いであります。

 今日、立教189年、教祖様140年祭に際して、「さあ<ろっく(注4)の地にする」と扉を開いて、世界を平等な社会へと、世界たすけの先頭に立たれる教祖様の教えに、こと改めて思いをいたし、親神様・教祖様にご安心・お喜び頂けるように、天理教平和の会として、「憲法9条を守り、平和な社会を世界中にひろげ、陽気ぐらし実現を目標と」することを心定めとして、声明を発表します。
立教189年(2026年)1月26日 天理教平和の会 代表 林 森一

(注1)むほん:対立したものが互いに相手を傷つけあう行為。
(注2)月日:親神をあらわす言葉。
(注3)高山:社会的立場において上層にあリ、その限りにおける世俗的権力を持っている者。
(注4)ろっく:平坦な。平らなさま。平等なさま。

海のガンジー金井牧師、ありがとう   


京都宗平協副代表  榎本 栄次


 創君ありがとう。この度の沖縄辺野古基地建設抗議船沈没事故でお亡くなりになった女子高校生と金井創牧師、お二人の死を心からお悔やみ申し上げます。またそのご遺族に上よりのお支えと慰めを祈ります。今回の事故で多くの反省すべきことがあります。率直に認め、新しい歩みへと進みたいと思います。
 一時、この事故を受けて、どん底に落とされたような辛い気持ちにさせられました。しかしここで私たちはたじろいでいるべきではないと思います。金井先生はそんなことを望んでいないでしょう。今こそ彼の遺志を引き継ぎ、共に平和のためのお取り組みをしたいと思います。
 金井牧師は、一月前の2月15日に私たちの教会で説教してくれました。「わたしが来たのは、健康で強い人を招くためではなく、病で傷ついた人や罪人を招くために来た」という話し、「新しいぶどう酒は新しい革袋に入れるもの」という話を結び付けた説教でした(マタイ福音書9章)。沖縄の荒海を突っ込んでくる高速艇の人に笑顔で対応し、時にはコーヒーをすすめる、そこに何かが起きる。こちらも向こうも変わると。徹底した非暴力。この柔軟性はどこから。神様が弱い罪人と共におられ、イエス様がそこに来られたのだから。私たちも新しい革袋になろう、と奨めてくれました。
 今回の事故で、いくつものミスが指摘されています。それは間違いではないでしょう。謙虚に反省しなければなりません。金井先生は真っ先に謝っているでしょう。逆にいたずらに彼を英雄視したりすることもありません。彼のいままで20年間してきたことと彼の志は見逃してはいけない。神の御意志である「平和を作りだす使命」に生きることです。「海のガンジー」と言っていい彼の行動は、これからも引き継がれることでしょう。それに繋がる者とさせてもらいたいと願います。