日本宗教者平和会議in京都・清水寺
戦後・被爆80年 核兵器も戦争もない世界を・宗教者の願い
10月20日、派手なレンタル着物に身をつつんだインバウンド(外国人旅行客)が目につく京都の清水寺(大講堂・圓通殿)において、日本宗教者平和協議会主催の「2025年日本宗教者平和会議in京都・清水寺」が開催された。国連軍縮週間に呼応し、テーマは「戦後・被爆80年 核兵器も戦争もない世界を・宗教者の願い」。日本被団協代表委員の田中熙巳さんの記念講演、ミニライブ、宗教者によるシンポジウムが行われ、共催した京都宗平協スタッフの尽力もあり、約200人が参加した。
司会を小野和典代表理事(真宗大谷派僧侶)が行いました。
主催者あいさつ
岸田正博・代表理事(真言宗智山派)は開会・主催者挨拶において、1962年に結成された日本宗教者平和協議会の初代理事長が、ここ清水寺の貫主だった大西良慶師であったことを紹介し、、原点の宗平協結成宣言にふれて、「心の内なる平和と外なる平和をつなぎ、軍備撤廃、核兵器廃絶へ」と呼びかけた。
(以下は機関誌をお読み下さい)
2025年日本宗教者平和会議in京都アピール
戦後80年、広島・長崎への原爆投下から80年、ビキニ水爆実験被災からは71年が経過しました。世界では未だロシアのウクライナ侵略が続いています。イスラエルのガザ地区への無差別な爆撃は、大変多くの市民や幼い子どもたちの尊い命を奪いました。「停戦合意第一段階」とするイスラエルとハマスの合意が恒久的な和平の実現につながることが重要です。尊いいのちの復権…一刻も早い人道的な解決が望まれています。
国内では、自公連立政権が崩壊、「国民のいのちとくらしを守る」という前提以前に、どう連立を組むかという議論が優先されている「混迷の連立構想」が続いています。
軍事力を鼓舞し他国を威圧、核兵器の使用の危険性も高まっている昨今の情勢に対し、私たち宗教者は、今こそ核兵器も戦争もない世界への実現のために、宗教、宗派・教派を越えての『いのち・平和への発信』を続けていく所存です。
昨年のこの時期、日本被団協がノーベル平和賞を受賞しました。世界では、核兵器の使用を示唆し核抑止力への依存を強化していこうとする危機的な状況の流れの中で、この平和賞受賞は今後の展開への大きな追い風となりました。
唯一の戦争被爆国日本政府が、未だ核兵器禁止条約に署名・批准の意志を示さないでいる現状に、条約参加国からは大きな落胆と批判の声が高まっています。今、世界では、この核兵器禁止条約への署名国が95ヶ国、批准国が74ヶ国に達しています。国連加盟国の半数以上が署名に到達しています。また国内でも、各都道府県自治体において、日本政府への参加要請行動が高まり、賛同する自治体が増加しています。日本政府に一刻も早い意思表示をと投げかけていく運動を粘り強く展開しましょう。
昨年の平和会議は、初の海外開催として韓国ソウルで行いました。戦時中、朝鮮半島から日本への強制連行・強制労働の実態、そして、亡くなった方々の遺骨の発掘、本国への返還にあたり、日韓の市民・若者・宗教者の協働が展開されました。私たち宗教者が、日韓の辿って来た歴史の真実に正面から対峙し、更なる諸課題の克服に対して継続して取り組んでいく必要があります。
戦後80年の今夏、原水爆禁止広島長崎行動において多くの宗教者が参加しました。また、全国各地でも、原爆展や平和の鐘打鐘、戦争と平和を考える集会等様々な催しが開催されました。核兵器も戦争もない世界の構築に向けて、今月、国連軍縮週間に呼応して本年の宗教者平和会議は京都で開催します。
『被爆者の運動とノーベル平和賞の意義』(田中熙已氏)の記念講演を受けて、5名の宗教者によるシンポジウムを開催、『宗教者は戦後責任をどう果たすのか問う』のテーマで進めます。
・戦後80年、被爆80年の思い…戦争遂行に協力加担した宗教界の現実から等
・被爆者の思いを宗教者としてどう受け止めるか
・「新しい戦前」…戦争をしないための戦後責任が宗教者・教団として果たされているか
・「宗教原理主義」が世界を不安定にさせているという指摘から
・戦争も核兵器もない世界の実現のために宗教者はどのような行動をとるか
各宗教・教団・宗教者が問われている宗教の様々な側面からの問題を『戦後責任』と共に共有し、参加者と共に語り、学び合い、つなげていく機会と考え、これからの平和運動に資するステップとなることを期します。
平和の祈りを行動の波へ…戦争も核兵器もない真の平和な社会を一刻も早く構築していくために、宗教者は何よりもいのちの尊厳を守り、市民社会と連帯して進んでいくことを表明します。
2025年10月20日 日本宗教者平和会議in京都参加者一同_
日本宗教者平和協議会の活動を支える「年末カンパ」と
「被爆者連帯と東日本大震災・原発被災者、能登半島地震支援募金」のお願い
日頃から日本宗平協の活動を物心両面で支えていただいておりますことに心から御礼申し上げます。
ロシアによるウクライナ侵略が4年になろうとしています、プーチン大統領による核兵器使用の威嚇が繰り返されています。また、一昨年の10月、イスラエルがパレスチナ・ガザ地区への空爆攻撃での市民の犠牲者が数万人と報道されています。いずれも双方が停戦し話し合いで国連憲章を守れと訴えます。
今年も気象異常でくり返し災害がもたらされました。昨年の1月1日の能登半島大地震、9月の豪雨災害被害に遭われた皆さんに心よりお見舞い申し上げます。
晩秋から初冬への季節となり、一段と寒さも加わって参りましたが、コロナ、インフルエンザの感染にご留意され、ご活躍されますよう祈念いたします。
被爆80年の年、日本宗平協は今年も、3月の焼津での被災71年3・1ビキニデー・墓前祭を通年通りに開催しました。ビキニデー集会、宗教者平和運動交流集会も開催しました。
福島・宝鏡寺での碑前祭、全国理事会開催、原水爆禁止世界大会、「いのちをえらびとる断食の祈り」を執り行い、「戦後・被爆80年 核兵器も戦争もない世界を・宗教者の願い」をテーマに、日本宗教者平和会議in京都・清水寺で開催。昨年ノーベル平和賞を受賞した日本被団協の田中熙巳代表委員が「被爆者の運動とノーベル平和賞受賞の意義」について講演しました。「宗教者は戦後責任をどう果たすか」を問うとしてシンポジュウムで討議しました。宮城泰年師、山崎龍明師、榎本栄次氏、福家俊彦師、コーディネーターを小野文珖師が努めました。
結成63年を迎えた日本宗平協のさらなる継続、活動を発展させるためにも、なにかと出費の重なる時期ではございますが、日本宗平協の「年末カンパ」などへのご協力を心からお願い申し上げます。家賃の値上げ、郵便や諸物価の値上げが事務所運営に困難をもたらしています。
7月の参議院選挙の結果、自公が過半数割れ、自公連立政権が崩壊、新たに自民党と日本維新の会が連立を組むいま、差別・排外主義の潮流が強まり、一層の反動、逆流の動きに注視し、大軍拡、暮らし破壊の増税、物価高、円安を進めるなど反国民的な政治にたいして、市民社会と連帯して、くらし、平和、民主主義を守りましょう。
国際法の核兵器禁止条約は22年1月22日に発効し、批准国73カ国に達しました。核兵器による破壊の危険から人類を救うために、新たによびかけられた日本政府に核兵器禁止条約への参加を求める署名をひろげ、いのちを守り平和な未来にかかわる核兵器のない平和な世界のための祈りと行動に取り組んでいかなければと考えております。
新基地建設反対の沖縄県民の民意を表明した県民投票の結果を高市自維政権は尊重すべきです。宮古島・石垣島など南西諸島への自衛隊配備は、「日本防衛」とは無縁の対中国〝封じ込め〟の離島防衛に名を借りたもので抗議とたたかいの運動を強めていきます。高市自維政権が進める大軍拡、大増税阻止のために市民とともにたたかいます。
原発の再稼動を許さず、「原発ゼロ」など、いのちと平和な未来にかかわる諸課題に、「平和の祈りを行動の波へ」と宗教者の責務を果たさなければなりません。
東日本大震災・原発被害者への募金に毎年取り組んできました。今年も継続いたしますので、ご協力の程、よろしくお願いいたします。日本被団協、広島、長崎へお見舞い金として贈っています。福島の施設へ「ちひろカレンダー」を贈呈しています。
「被爆者連帯と東日本大震災・原発被災者、能登半島地震支援募金」は、1口1,000円で5口以上お寄せいただいた方には「ちひろカレンダー」を贈呈いたします。
どうぞ、ご協力くださいますよう重ねてお願い申し上げます。郵便振替 00170-2-7196
又は通帳送金 記号10040 番号58275691 名前ニホンシュウキョウシャヘイワキョウギカイ
2025年11月10日
日本宗教者平和協議会
代表委員:榎本栄治 奥田靖二 工藤良任 高木孝裕
殿平善彦 宮城泰年、山崎龍明
代表理事:荒川庸生 遠藤教温 小野文珖 長田 譲 小野和典
鈴木君代 岸田正博 船水牧夫 山本 光一
事務局長:森 修覚

